のこすのも
2023.9.29
少し前に飛松弘隆さんの個展に行ってきました。
飛松さんは柔らかい灯りの磁気照明を
手掛けておられます。
一見、花器のようにも見えるそれは
ガラスの成分が絶妙に配合された
磁器からもれる光で灯りとなります。
灯りをつくる過程
それは
泥漿を石膏型に流し込むと水分を吸い
それと同時に泥漿の中の磁土の粒子が内壁に着き
層になっていくことで
照明の厚みとなり
光のやわらかさを決める。
石膏型をはずす際の切れ目でバリができ
鋳込みならではの表情に。
ものづくりにおいて
つくる過程で生じる副産物(バリ)を
見事なまでに主体に落とし込ませているその様は
それ自体を芸術と思わせるほどの
美しさだと感じました。
家づくりにおいて
必然的に生じて
得られたものを昇華する技量。
そこに暮らす方へ
どれほどの存在でそれらを遺せるのか。
そんなことを考えさせられる
時間となりました。
匙加減を
考えに考え
考えれば考えるほど
空間は繊細になるのだろうと思います。
みえる空間ではなく
感じる空間にまで落とし込めるように
家づくりを進めていけたらと思います。
Kimura