好文堂

2024.5.10

建築家の中村好文さんの家具の展示会
「好文堂」に行ってきました。
 
中村さんのつくられた家具は、
一見可愛らしいものが多いのですが
どの家具も実際に触れて使ってみると
可愛らしいだけでなく
使う人に優しく、思わず笑ってしまうような
ユーモアのある家具ばかりでした。
 

 
特に印象深かった家具をご紹介します。
座面が豆の様なかたちの2人がけのベンチなのですが、
座ってみると2人が柔らかく向き合うように
つくられていました。
 
肘掛の部分が包み込まれるような
アーチの形状をしていて
それに沿うように背もたれがつくられています。
どこにも角張った箇所がなく丸みのある
柔らかいかたちが、すっと身体に馴染みます。
 

 
写真で見るよりもずっと、
心地良い距離感で向き合うことができ
2人で座ると自然と話が弾みました。
 
実際に触れて座ってみなければ
分からなかったこと、感じられなかったこと。
長い時間をかけて向き合うことで、
深く家具の魅力に気づくことができ
ますますベンチのことが好きになりました。
 
家具や住まいは簡単に買い替えることは難しいです。
長く付き合っていくものだからこそ
できるだけ体感して
深く知り、日常に寄り添ってくれるものを。
 
直接目で見て、手に触れることは
写真や本で見る以上の大切な感覚に気付けると、
改めて感じました。
 
Muneto