想いに触れる

2025.5.23

私が普段身につけているお気に入りの腕時計です。

金沢で手作りの時計を制作しているC-Brainさんが、
伝統的な素材や技法を用いて作る
『はなもっこ』のこないろシリーズ。
 
その文字盤には、岩絵具が塗られています。
天然石を砕いて作られるこの顔料は、
飛鳥時代から素材や技法が変わることなく
受け継がれてきました。
 
私が選んだのは群青。
約1400年以上の歴史を持つこの色は、
古墳壁画や絵巻物にも使われてきました。
天然の岩絵具ならではの美しい色彩。
粗い粒子が生み出す、
ザラザラとした質感と光の煌めき。
 
それだけではなく、
岩絵具の下地には手漉き和紙が使われ、
目盛りには故郷・金沢の金箔が貼られています。
 
時間を確認するたびに受け継がれてきた
歴史や伝統を感じ、
胸の奥が満たされるような気持ちになります。
そして、素材一つひとつの背景を通じて、
「愛着を持って、永く大切に使い続けてもらいたい」
という想いが伝わり
心が温かくなります。
 

 
これは、私たちの家づくりにも通じるものがあります。
その土地の風土に合わせて、
長年培われてきた技術や知識を活かしながら、
設計士、施工監督、職人…携わるすべての人が
「愛着を持って、永く大切に住み続けてもらいたい」
という想いを込めて形にしていく。
 

 
日常に溶け込んだ景色から
込められた想いをふと感じていただけたら嬉しいです。
 
Nagino